金属アレルギーを研究していたら金属イオンと鉱物の酸化還元と陶芸の釉薬が結びつきました

溶中金属イオンと釉薬の色と酸化後の色

レアメタルと陶芸釉

 酸化と還元

還元は一酸化炭素中毒の酸欠状態。炭化水素ガスが釉薬の酸素を奪い取る、釉薬に含まれる酸化金属を還元させ金属本来の色が出るのが還元焼成。

陶芸のうわぐすりは粘土の色と、釉薬に含まれる金属イオンの焼成後の変化が金属の鉱物の酸化であり、金属が鉱物だった時の色、金属イオンとしてうわぐすりに溶けている時の色、そして酸化物となって窯から出てきたときの色がまるで姿を変えているのがとても不思議です。

鉄は黄瀬戸、瀬戸黒、銅は織部、均窯、辰砂。コバルトは呉須

レアメタルと陶芸

焼き物の釉薬は鉱物を含むことで、焼成後に酸化または還元され発色を伴って陶器に彩りを与えます。鉄分の酸化の錆びの色に近い色が現れたかと思うと、還元焼成によって新しい鉄の色が出現したり、化学変化を目の当たりにすることになります。レアメタルであるチタン釉も酸化と還元では変化します。

レアメタルと陶芸釉

 

地球史の痕跡と温泉の硫黄とシルバーアクセ

 

地球誕生、酸素の誕生の痕跡を見るうえで温泉という生きた標本があげられます。 シルバーアクセサリーの銀は硫化水素に反応して硫化し黒く変色します。これも、表層の膜になっています。磨いたり、表面の膜を剥がせばもとの白い銀色に戻ります。 この硫化水素を利用して酸化する生物が一番熱い温泉の湧き出し近くにいて、次に光合成はしても酸素を発生しないオレンジ色の生物、そして温泉の出口から離れたところに青の生物となっているのだそうです。地球上の生物の進化の縮図というのは温泉をとりまく生態系と一致しています。 地球史の解読の調査研究の試料採取にも、分光器が使われていて、生物の持つ波長により色で識別されます。 シアノバクテリアによる青やシルバーを硫化させる硫黄、変色した黒などのさまざまな色の不思議を連想させます。 チタニウムといえば、温泉にも反応せず変色しない素材。結婚指輪の材質に最適なのがチタン。 バクテリアといえば、金魚を水槽で飼っていて、少し生臭いと思ったらバクテリアをすこし入れてやるだけで水はたちまちきれいになり、生臭みも一気に消えました。 水質もこだわって水の生き物を飼うと愛着が増すように、土壌にこだわって草花を栽培するのも奥が深い趣味。 例えば人気のブルーべりーを家庭菜園で育てようとすると、まずは土壌管理から始まり、酸性の土を好むブルーべりーのために、PHを勉強し、鹿沼土とピートモスの混合土を用意したりという手順。そういった下ごしらえから良いものが育ち、実るということを実感したりできます。

チタンリングと結婚指輪の青シアンと光合成のルーツ

シアノバクテリア

生命の誕生と40億年の進化

  チタンの酸化皮膜による青色は青の原色「シアン」と呼ぶことができます。
シアノバクテリアのシアノは青のシアンという意味で、光合成の色素を持っています。
*シアノバクテリアとは
19億年前、地球上で初めて光合成をするワザを身にまとった微生物の名前

オーストラリアの海岸にある岩のようなカリフラワーのようなストロマトライトに似た構造体が見つかりました。
この海岸の岩の表面でシアノバクテリアが光合成を行っていて、盛んに酸素を発生させています。

*ストロマトライトとは、シアノバクテリアが作り出す構造体のこと。 石の表面にシアノバクテリアが少しだけついて大きくなっていく、ぼこぼこした構造体。
*軟体動物の血液が青いのは銅イオンが含まれているから。
結婚指輪の制作と研究 現代のチタンの青い酸化皮膜にも似た構造があります。
光触媒です。光触媒は環境に関する用途として研究が進んでいますが、ジュエリーのチタンリングの青い色にもなんだか地球上の酸素誕生の縮図が、チタンの表層に現れているように思えてきます。

ジュエリーと結婚指輪の素材ステンレス

■鉄

ステンレスの素となる鉄の鉄鉱石というのは、地中にあると思っていましたが、実は地球の歴史と元素分布を調べていくと、海中の鉄からできていたことがわかりました。
鉄分というのはもともと海中にあって、その鉄分が海水中の酸素と結びついて酸化し、酸化鉄となり沈殿しました。海底に沈殿物となった酸化鉄が堆積岩となり鉄鉱石となったわけです。鉄の最大の落ち度は錆びですが、もともと酸化鉄という酸化化合物の姿で地中にあるのが鉄で、反対に化合物にならないのが金(Au)です。ゴールドは酸化化合物を作らずに金のままの形で自然界に存在してたから人類が地中から見つけ易く、古代から利用されてきた長い歴史があります。

錆びには母材を護り向上させるさびと劣化させるさびがあります

鉄の最大の落ち度はさびでと言っても赤錆びは劣化のさび。それに対し鉄の黒さびは向上のさび。黒錆は赤錆と比較して10倍緻密な針状の固いさび。
資料* チタンはなぜ身体の中で錆びないのか?チタンは錆びる?

■クロム
サージカルステンレス製のジュエリーというのも歴史がほとんどない新しいアクセサリーです。そのサージカルステンレスの素となるクロムは、地中にはあまり無く、発掘調査によって発見された特殊な濃集層によると、クロムや地球にあまりないイリジウムが見つかっています。このことから、巨大な隕石が降ったと考えられるようになり、地球の歴史がひっくりかえりました。

還元と酸化が酸素との結びつきで金属イオンと電気分解

水から水素と酸素を取り出す電気分解

電気分解とは、自然の環境因子による反応ではなくて、電気のエネルギーを与えてむりやり電子を移動させ反応を起すものです。電気分解

水素で思い出すのは原子力建屋の水素爆発です。炉心のハフニウムも溶融しました。原子力建屋3号と4号が水素爆発しました。燃料被覆管のジルコニウムが高温に達したとき、手近にある酸素を奪い残った水素が爆発しました。

皮膚とハフニウムとジルコニウム
*ジルコニウムと水素爆発水素爆弾の水爆。
水素はどこから来たのですか?
水素を使ってエネルギーとして水素自動車を日本で主流にしようと推進されている、その水素。これから東京にはガソリンスタンドの変わりに水素ステーションが造られる計画だそうです。電気自動車は充電に時間が掛かります。
以前、レアメタルのジュエリー工房から帰る途中、千代田線で、電気系統の故障で電車が動かなくなり代々木で電車を降りて歩いた経験があります。駅前のタクシー乗り場は長蛇の列ができていたので、諦めて歩いて帰る途中、大渋滞のタクシーを100台くらい徒歩で追い抜き追い抜き13000歩で帰宅しましたが、充電が切れた時、電気自動車の充電を待つとしたら、そのあいだに徒歩で帰れてしまうなと思えます。長距離トラックも充電が待ちきれないでしょうから普及するなら、「水素自動車」の方でしょうか。

水素か電気かガソリンか、技術の競争があって、最終的にどうなるか興味深い記事がありました。
地球環境への対応を基準とした究極の高性能とは、走行時のエネルギー効率がもっとも高い車だということが明らか…*資料→抜粋ここから「日経新聞あたりは、EVの方が自動車として高級だと言った記事を書くが、駆動技術という観点から見れば、原理は、遊園地のミニカーなので、なにも高級な部分はなくて」抜粋ここまで
宣伝に惑わされず本当に良いものが淘汰された中で残ってみんなが気付くにはまだ20年かかるそうです。

 

仏、英、中国などは将来的にガソリン車から電気自動車にシフトさせる方針を示しました。充電といえばバッテリー。私たちの日常に欠かせないスマホにもEVにも使われるバッテリー用リチウムイオン電池の材料はコバルトです。
タンタル同様に、コバルトもコンゴ民主共和国(もとザイール)が世界最大の産出国。日本の自動車メーカーは、紛争鉱物の使用禁止の方針ですが、コバルト不要のリチウムイオン電池にシフトするだけでは、コンゴの住民が仕事を失うことになります。
世界の国々がいったいどうやって稼いでいるのかを見渡してみた時、地下資源を糧に外国に売ることでGDPが3割にも上る国となると、紛争が起きる可能性は30%以上にもなるというデーターがあるそうです。

資料* 地下資源があることであおられるコンゴの内戦

指輪の素材:チタンと地球とジュエリー

ルチルという硬い石が掘られてチタンに変わる

チタンは地球の奥深くから取り出されたルチル鉱石を精製して作られたマテリアルです。 ジュエリーとなる宝石も地球の奥で、長い時間を経て作られた鉱石が採掘され、それを磨き上げたものです。
地球にはもともと酸素がありませんでしたが、シアノバクテリアという微生物が歴史上重要な役割を果たしました。

チタンと人間が出会うまでに時間がかかったためチタンのことを新しい金属という位置づけをしていますが、チタンも地球の中にずっとあったもの。地中に存在し続けてきたものです。
ではなぜチタンが見つけられなかったのか、それはチタンと酸素の結び付きだということです。 空気の中には約20%の酸素があります。その酸素のある環境でチタンをチタンとして取り出すことがむずかしい。だから地中にはこれがチタンですよという塊りがごろっと埋まっていて、それを取り出すということではないのです。 アルファーチタン、ベーターチタンという世界だそうです。

 

レアメタルジュエリーと地球の起源説

遷移金属

チタンジュエリーのチタニウムもレアメタルのひとつですが、イリジウムというレアメタルが地球史解剖の鍵となっています。
ある地層から見つかったイリジウムから、隕石によるものという仮説があります。
恐竜は氷河によって絶滅したという説をゆるがす新たな説に、小惑星が衝突して宇宙からの恐竜時代が終わったとするものです。これは地球上の出来事に起因するという恐竜絶滅説を根底からひっくりかえす、外的要因説です。
化学が従来の定説をくつがえし、仮説をたて立証していくのはとても建設的です。
デザインの現場もまた、新しい概念を生み出すステージにしていくべきだと思います。
参照:遷移金属とは